【テレワーク環境向上プロジェクト】電子化されていない資料の共有には書画カメラ!自作する方法も紹介

テレワークをしているとオフィスにいる時とは違ってお互いが離れているので、意思の疎通がうまく図れないことがよくあります。様々なソフトウェアツールを使いある程度は改善することは可能ですが、デバイスの助けを借りることでより円滑に意思疎通を図れる場合があります。

この記事では、書画カメラというデバイスについてご紹介します。

書画カメラとは?

テレワークしている際にドキュメントなどを共有してディスカッションしたい場合は通常電子ファイルとして配布したものを各自が参照したり、ビデオ会議システムのパソコン画面共有機能を使用して、一つのパソコンに開いたそのドキュメントを他の人たちが自分のパソコン上で見るなどの方法が行われています。

しかし電子ファイル化されていないドキュメントや書籍などを使って話し合いたい時などはそのような方法がとれません。

このような時に使用されるのが書画カメラと呼ばれるものです。これはカメラがアームに固定されていて資料などを撮影することができるものです。書画カメラはOHC(オーバーヘッドカメラ)とも呼ばれます。カメラだけだと手振れのために見づらくなったりするのでアームで固定されていることが重要な機能となります。

 

書画カメラはこのようなイメージです。

この書画カメラを使うことで電子ファイル化されていない、または できない資料などをテレワーク中に他の人に見せることが可能になります。

エプソン、エルモ、IPEVO やiOCHOWなどから販売されています。

500万画素から1600万画素まで高画質のカメラが使用されていて、照明やズーム機能がついています。また録音マイクがついているものもあります。

価格は1万円から10万円を超えるものまで様々ですが5万円前後の価格帯が最も多く販売されています。会社の会議室に1台購入することは可能かもしれませんが、テレワーカーが各自宅に1台となると購入には少し高価かもしれません。

書画カメラを自作できる?

そこで今回書画カメラに相当する機能を低価格で実現できないか、低価格の外付けwebカメラを使用して自作してみました。

カメラ

今回使用したのはLOGICOOL ウェブカム C270 です。1000円ほどで購入できるため、すでに外付けビデオ会議用や監視カメラ用として使われている方も多くいると思います。

接続方式はUSBです。モノラルですが内蔵マイクもついています。

最大解像度は1280X720でHD画質120万画素、30フレーム/秒です。視野は60°です。

対応OSはWindowsのみと記述されていますが、MacOSでも動作するとのレポートもあります。

アーム

そしてそれを支えるLogicool ウェブカムスタンドを使用してみました。価格は1800円ほどでした。

これは使用しているLOGICOOL ウェブカム C270用のアームですが、他にもっと低価格で1000円ほどのアームもありました。

アームの先端にあるマグネット(上写真の左側)でカメラを接続し、クランプ(上写真の右側)で机などを挟んで固定します。最大厚さ5.6cmまで挟むことができます。アームの長さは64cmあり、フレキシブルアームで自由自在に曲がります。

セットアップ

今回はこの組み合わせで書画カメラの機能を果たせるかを試してみました。

実際はこのようなセットアップになります。

Windows10上のSkypeで試してみました。

LOGICOOL ウェブカム C270をUSBでパソコンに接続してしばらくすると自動的にカメラを認識しますので、新しいカメラデバイスとして使用可能になります。

Skypeの設定メニューから音声/ビデオを選ぶとカメラの映像画面が表示されます。

今回追加した以外のカメラがある場合はそのカメラの映像が表示されているはずです。

映像画面の右上に表示されているカメラ名からLOGICOOL HD Webcam C270を選択するとこのカメラからの映像が表示されるようになります。

ちなみにテストとして何か文章を表示してみるとその文章は鏡に映ったように反転しますがこれは自分のカメラを自分のパソコン上に表示したときだけで相手のパソコン上では反転されずに正しく表示されます。

結果

これが実際のSkypeのスクリーンショットです。

フルスクリーンで表示すれば小さい字も何とか読み取ることが可能でした。もっと小さい字を表示するためにカメラに近づけてもこのカメラは焦点距離が40cmに固定されているのでぼやけてしまって読めません。そのためカメラをアームに固定せずに文字などを表示しようとするとやはりぶれてしまって、大変読みづらくなりました。

仕様上、固定焦点距離となっていますが、いくつかのレポートによると内部のねじを調整することで焦点距離を変えることも可能なようです。

今回の組み合わせは数万円もする正式な書画カメラに比べると機能的には落ちてしまいますが、数千円の価格を考えると何とか使えると思われます。

まとめ

テレワークではオフィスにいるときとは違って距離を克服するためにデバイスの助けを借りて意思疎通を図りたい場合があります。電子ファイル化されていない資料などを共有したときは書画カメラが便利です。

低価格なウェブカメラと固定アームを組み合わせることにより書画カメラの機能にある程度は近づけることができ、テレワークでの意思疎通の問題の一部を解決することができると思われます。