【シリーズ子育てとテレワーク】小学生編  ー小1の壁に立ち向かえー

産休や育休を経て子供を育てながら働いて、早6年。いよいよ子供が小学生、という時に立ちはだかる「小1の壁」。

小1の壁とは、子供が小学校1年生に上がるときに共働き家庭が直面する難しさを表した言葉です。

この記事では、この「小1の壁」がどうして難しい問題なのか、また、小1の壁に対して企業はテレワークをどう活用できるかについてご紹介します。

シゴトバでは、テレワーク導入を検討されている企業の担当者の方々向けに、テレワークの導入が子育て世代に実際役立つのかについてシリーズでご紹介しています。

  1. 子育てとテレワークー妊婦編ー
  2. 子育てとテレワークー赤ちゃん・育休編ー
  3. 子育てとテレワークー保育園・共働き編ー
  4. 子育てとテレワークー小学生編ー ←今ここ

共働き家庭における小1の壁とは?

小1の壁とは、それまで保育園に預けていた子供が小学校に入学するときに親が直面する「働きづらさ」のことです。これは、子供がいない方や、まだお子さんが小さい方には想像がつかないかもしれません。

「小学校1年生ともなると、赤ちゃんのときよりもできることが増えているはず。むしろ働きやすくなるのでは?」そう考えるのが自然かもしれません。

しかし、統計から実際にはその逆であることがわかっています。

下の図は、末子(一番下の子供)の年齢別、母親の仕事の年次別推移です。左から、「正規の職員」、「非正規の職員」、「仕事なし」となっています。これを見ると、一番下の子供が小学校に入学するタイミング(5歳から6歳)で、正規の職員として働く母親の割合ががくんと落ち、逆に非正規の職員として働く割合が増えていることがわかります。「仕事なし」については、ほぼ横ばいです。一体なぜ、このようなことになってしまうのでしょうか?

厚生労働省 平成30 年 国民生活基礎調査の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa18/index.html)より

 

保育園→学童保育のギャップ

小学校に入学すると、下校時刻から親が迎えに行くまでの間、学童保育クラブを利用することになります。しかし、保育園と違って学童保育には様々な制約があることが多く、問題視されています。

そもそも入所できない

都市部における保育園の待機児童問題は有名な話ですが、学童保育も定員オーバーで入所できない自治体があります。厚生労働省の調査では、2020年7月時点で全国に15,995人の待機児童がいることが明らかとなっています。

人数が多すぎる

定員オーバーで入れない自治体とは逆に、入所が可能であっても施設に対してキャパオーバーになってしまっている自治体もあります。

さらに、政府は従来「1教室あたり指導員2人」の基準を設けていましたが、2019年5月に成立した第9次地方分権一括法案により、2020年度からは、自治体ごとにこの基準を緩和することができるようになりました。つまり、自治体によっては「1教室(約40人)あたり指導員1人」での運営も可能となってしまったのです。大人の人数に対して子供の数が多すぎると、目が行き届かないことも増えるため、保育の質が懸念されます。

預かり時間が短い

朝・晩の預かり保育がある保育園と違い、学童保育は一般的には8:00から18:00。朝は子供だけで登校させることができても、暗くなる夕方は親が迎えに行くことを考えると、フルタイム勤務がしづらくなってしまいます。

小学校では親の出番が多い

また、小学校にはPTAなどの親が参加しなければならない活動が存在します。PTAは任意加入の団体であり、参加を強制することは違法となりますが、実際には多くの親が参加せざるを得ない状況です。

また、小学生になると様々な宿題・提出物があります。これらの宿題は親が採点をしなければならなかったり、提出するものを用意する必要があったり、時間をとられてしまいます。

子供への対応が難しい

そして、もっとも難しいのは子供に対する対応ではないでしょうか。小学校入学前に保育園に通っていた場合、それまで周囲には共働きの両親を持つ子供しかいませんでしたが、小学校に入学するとクラスには専業主婦・主夫家庭の子供も存在します。放課後に自由に遊ぶことができる友達をうらやんだり、「もう学童行きたくない!」と言われてしまったり。特に、小学校には長い夏休み・冬休み・春休みが存在するため、「自分も家にいたい」と学童に行き渋ってしまうのです。

企業にとっての小1の壁

さて、このように共働き家庭の多くが直面する小1の壁ですが、従業員が小1の壁に直面し、退職をすることで企業が直面する課題とは何でしょうか。

労働力の低下

厚生労働省の人口動態調査によれば、2015年時点での第1子出生時の親の平均年齢は父親が32.7歳、母親が30.7歳です。つまり、2022年現在、小学校1年生の長男・長女を持つ両親の平均年齢は父親が39.7歳、母親が37.7歳と推測できます。

30代後半となると、働き盛りで部下がいてもおかしくない年齢。そんな年齢の社員がある日突然働けなくなると、それまでの教育コストが水の泡となってしまいます。

レピュテーションリスク

レピュテーションとは直訳すると評判のことですが、企業イメージといって差し支えないでしょう。近年、SNSの普及によって従業員が企業の「告発」をすることが簡単になっています。育児中の社員に対するハラスメントは論外ですが、育児をしづらい会社というのはそれだけで企業イメージが下がります。下がった企業イメージを回復することは容易ではありません。

 

テレワークで小1の壁は乗り越えられるか?

このように「小1の壁」問題は従業員にとっても企業にとっても大きな問題です。テレワーク・リモートワーク専門メディアである「シゴトバ 」では、「子育てとテレワークー保育園・共働き編ー」という記事でテレワークが保育園児を持つ共働き家庭に有効な一手であることをご紹介しました。これは、「小1の壁」についても同じことが言えるでしょうか?

テレワークとは?

テレワークとは、時間や場所にとらわれない働き方のことです。リモートワークという言い方をする企業・団体もあります。

情報通信技術(ICT : Internet Communication Technology)の発展によりインターネットを介して地理的に遠くの人と働くことが可能になり、オフィスではない場所(自宅やカフェ、サテライトオフィスなど)で働いたり、国外の仲間と働いたり、従来の働き方と違う様々な就業形態が可能になりつつあります。

そして、2020年来、新型コロナウイルス感染拡大の対策として多くの国や企業でテレワークの普及が進みました。

小1の壁とテレワーク

結論として、保育園と比較すると働き方は難しくなるかもしれませんが、テレワークは「小1の壁」を乗り越える大きな助けとなるでしょう。

プラス1時間程度、時間を確保できる

通勤時間がなくなることで、単純に労働時間を増やすことができます。人によっては片道30-40分、1日あたり1時間以上時間を節約増することも可能となるかもしれません。子供の宿題への対応やPTAへの参加など、保育園のときにはなかった新たな家庭内タスクへの対応のために、時間はできるだけ節約したいものです。

学童保育に入所できずともなんとか働ける…かもしれない

また、たとえ学童保育に入所できなかったとしても、テレワークであれば働き続けられる可能性があります。例えば、大人しく読書をしていられるタイプのお子さんでしたら、小学校から帰宅したあとでも親はテレワークで仕事をすることが可能でしょう。しかし、こればかりはお子さんの特性によるところが大きいと言えます。

まとめ

今回の記事では、共働き家庭における小1の壁の難しさについてご紹介しました。今後も、シゴトバでは社員のライフステージにおいてテレワークをどのように活用できるのか、ご紹介していきたいと思います。

参考