育児、介護、譲れない趣味のため…様々な理由から、勤務地にとらわれない働き方がしたいという方々のために、リモートワークできる仕事を探して転職する方法・コツについてまとめました。
この記事では、特に正社員でリモートワークできる求人を探す方法について記述しています。
Contents
用語について学ぶ
まずは、用語についておさらいしましょう。
リモートワーク=テレワーク=在宅勤務?
在宅勤務は家で働くことであり、リモートワーク・テレワークは場所に限定されない広い概念です。
リモートワーク・テレワークは業界や企業によってどちらかが使われます。傾向として、以下のような使い分けがされています。
リモートワーク:外資系企業、IT系企業、スタートアップ企業
テレワーク:官公庁、日系大手企業
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
コロナ禍でテレワーク正社員案件が増えた
2019年以前は、正社員でテレワークというと大企業や一部のスタートアップでしか採用がありませんでした。「テレワーク・在宅勤務可」となっていても、さまざまな制約がついていることが多かったのです。
テレワークの制約の例:
- 中途入社の社員については、入社後1年間リモートワークをすることができない
- リモートワーク可能な人が、妊婦や子育て世代に限定されている
- リモートワークをする日が会社によって強制的に決められている
- 在宅勤務は可能だが、モバイルワークは不可能(カフェや移動中などは不可)
- リモートワーク可能ではあるが、フルリモートワーク勤務ではない
しかし、2020年の新型コロナウイルス感染拡大を境に日本国内でもテレワークを前提・または週に何回かは在宅勤務可能とする企業が増えました。一方、新型コロナウイルス感染の収束後については方針を決めかねている企業もあり、一口に「テレワーク可」となっていても1年後、3年後に同じように働けるかについては注意が必要です。
自分自身がどのように働きたいのか整理する
まず、求人案件について調べる前にあなた自身がどのようにして働きたいのか、整理する必要があります。
以下の項目について整理しましょう。
- 希望年収
- リモートワークできる場所
- 自宅
- サテライトオフィス
- コワーキングスペース
- カフェなど
- 海外から
- リモートワークできる頻度・期間
- 週に何回リモートワークしたいか
- 時々オフィスに行く必要があるか
- 恒常的にリモートワークをすることは可能か(子育て世代等に限定されていないか)
- 勤務時間
- 定時
- フレックス勤務は可能かどうか
- リモートワークに際して、企業に負担してもらえたら嬉しいこと
- 在宅勤務のインターネット通信費
- 在宅勤務のホームオフィス費用
- コワーキングスペースの利用料
- リモートワークで利用されているツール
- Slack や Chatwork などのチャットツール
- oVice、remotty、roundz などの仮想オフィスや在席管理ツール
この他に、人事評価制度やトレーニング制度など、確認しておきたい項目はあらかじめリストアップしておくとよいでしょう。
リモートワークができる求人を探す
自分自身の希望条件を整理し、働くイメージが固まったところで、リモートワーク可能な求人を探しましょう。
リモートワーク可能な求人を探す方法は
1)求人サイトを利用する方法
2)転職エージェントを利用する方法
3)ヘッドハンティングを待つ方法
に大別され、基本的にどれも無料で利用することができます。
気楽さ(事前準備が必要ない) | 想定年収を把握できる | テレワーク可能な求人を特定できる | 求人数が多い | 内定を取りやすい | |
---|---|---|---|---|---|
求人サイト | ◎ | ○ | ◎/△ | ○ | ○ |
転職エージェント | △ | ◎ | ○ | ○ | ◎ |
ヘッドハンティングサイト | ○ | ◎ | ○ | △ | ◎ |
求人サイトを利用する
求人サイトを利用するメリットは、気軽さと、求人案件の多さ、そして無料である点です。
ただし、リモートワークできる仕事を探すという視点でみると、利用しやすいサイト・しづらいサイト両方が存在しています。また、利用するにあたって知っておいた方がよいコツがありますので、詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
また、これらのサイトを登録することで、LINEポイントプレゼントや、口コミサイトの無料利用などのお得な特典を得られることも多いです。
焦って登録する前に、自分の使おうとしているサイトでお得なキャンペーンがないかどうか、調べるとよいでしょう。
求人サイトごと、また、案件ごとに、想定年収や実際の働き方(自宅外でもリモートワーク可能か、週何日リモートワークすることができるかなど)などの情報量にはばらつきがあります。これらは、下で紹介する口コミサイト等を利用して精査していきましょう。もちろん、書類審査を経て面接が進んでいく過程で、企業側と確認していくことももちろん重要です。
様々な求人サイトの特徴やリモートワーク求人の数については、こちらの記事をご覧ください。
転職エージェントを利用する
現在何らかの仕事をしていてリモートワークができる仕事に転職したい場合、転職エージェントに相談してみるのもよいでしょう。転職エージェントというと、高額な手数料をとられるイメージをお持ちの方もいると思いますが、多くの転職エージェントでは、ジョブマッチングが成立した際に企業側から報酬を得るシステムになっており、求職者は無料で利用することができます。
転職エージェントを利用する最大のメリットは、彼らの持つ情報の深さです。人によって紹介してもらえる案件の数に差は出ますが、ひとつひとつの案件について、実際の想定年収や働きかた、企業が新たな人材を募集している背景など、検索サイトを見ただけでは得られない詳しい情報を得られることは魅力的です。転職エージェントは、求職者の担当者と企業の担当者を同一人物が兼ねる両面型と、それぞれ別の担当者が付く分業型に大別されますが、より企業側の詳しい情報を得たい場合は両面型を利用することをお勧めします。転職エージェントを利用する最大のコツは、上で説明した、自分自身が求めていることを明確にしておくことです。上で紹介した項目についてよく整理したうえで、エージェントに伝えられるようにしましょう。また、彼らがより多くの案件を紹介できるように、あなた自身の履歴書・職務経歴書をアップデートしておく必要があります。
ヘッドハンティングサイトを利用する
最後にご紹介したいのは、ヘッドハンティングを利用する方法です。ヘッドハンティングというと、オフィスの電話にどこからともなく怪しい電話がかかってきて…というイメージですが、現代のヘッドハンティングはより効率的です。履歴書・職務経歴書を作り、サイトに登録しておくと、企業の人事担当者・もしくは転職エージェントから連絡がくる仕組みです。企業の人事担当者からの連絡がある場合、面談確約、つまり書類選考が免除されることも多く、内定取得までのプロセスが短くなることが魅力的です。ただし、基本的に情報を登録したのちは待つことになるため、すぐに希望する案件が来るかどうかはわかりません。ヘッドハンティングサイトを利用する場合は、長期的な視点で転職について考える必要があります。
現時点では、リモートワークの求人に特化したヘッドハンティングサイトというのは存在していません。フリーフォーマット欄が用意されていることが多いので、自分自身がどのような仕事を求めているか、記述するようにしましょう。同時に、多くの担当者の興味を引くため、より魅力的な履歴書・職務経歴書を用意しておく必要があります。
口コミをチェック
良さそうな案件が見つかったら、まずはその会社・職場に自分の知り合いやその知り合いがいないか、探してみましょう。案外世界は狭いものですし、ここだけの話…というのは、直接聞くのが一番です。もし、どうしても見つからない場合は、企業の口コミサイトを見てみましょう。openwork(旧Vorkers)は社員による会社口コミサイトですが、様々な角度の口コミが多く寄せられていて参考になります。すべての社員口コミを閲覧するためには月額1000円(税抜)必要ですが、1)会社評価レポートの回答、2)転職サービス登録プログラム、3)Web履歴書の入力のいずれかを行うと一定期間無料で利用することができるのは、うれしいですね。
openworkなどの口コミサイトを利用する注意点は、その口コミが、企業全体についてなのか、それともある特定の部署についてなのかを見分けることです。特に大きな企業での就職を考えている場合、事業所や部署によっては別会社のように文化の違うところもあるため、この点は気を付けましょう。また、リモートワークなどの柔軟な働き方は、比較的新しく設定された制度であることも多いため、その口コミがいつ投稿されたものなのかも気にしたいところです。
応募・面接の際に気を付けること
さて、いよいよその求人に応募、面接に臨む際に気を付けるべきことはなんでしょうか。多くの企業での中途採用の流れは、書類選考から始まり、1)現場同僚・上司による面接、2)人事による面接、3)役員または部門長による面接となっているところが多いです。(企業によって他に技術面接や試験などがあったりします。)すべての面接を通して、以下の点に気を付けて自分自身を存分にアピールしましょう。
- 自分自身のコミュニケーション能力の高さ(リモートワークでも十分働けることをアピール)
- 職務遂行能力の高さ(経験に基づいた話を具体的・数値に落とし込んで話す)
- やる気の高さ・長期間務めたいと思っていること
一方、面接は、企業があなたをジャッジする場ですが、同時に、あなたが企業をジャッジする場でもあります。以下に、それぞれの面接において、正社員でリモートワークを目指すあなたが気を付けるべきポイントを挙げます。これらは、相手に直接質問したり、相手との会話の中から読み取ったりしてチェックしていく必要があります。質問一辺倒になってしまうと、「この人は本当に働く気があるんだろうか」と思われてしまう可能性があるため、間接的な質問をするなど、バランスよく読み取っていきましょう。
現場同僚・上司との面接
- 上司となる人のマネジメントスタイルはどうか
- 上司・同僚となる人のコミュニケーション能力
- コミュニケーションツールは何を使っているか
- プロジェクトマネジメントツールは何を使っているか
- 実際の勤務時間
人事担当者との面接
- 職務規定(定時、残業の取り扱いなど)
- リモートワーク規定(使用の際の制限はないか?)
- 人事評価制度(目標設定をどのようにして行い、それを誰がどう評価するのか)
- トレーニング制度
部門長・役員との面接
- リモートワークをしながらの昇進が可能なのかどうか
- リモートワークについてどう考えているのか
内定がでたら、最後の確認
最終的に試験・面接を突破して内定が出た(出そうになった)ら、自分の上司となる人・同僚となる人と話す機会を是が非でももらいましょう。自分が実際に望む働き方ができるのか、確認する必要があります。条件をあいまいにしたまま入社をして、後からやっぱり違うとなって辞めるとなると、困るのは企業・働くあなた自身の両方です。一度内定が出た状態であれば、企業側もあなた自身を欲しい人材としてみなしているわけです。憶することなく、実際に自分の望む働き方をすることが可能なのか、最終確認をしましょう。