企業の採用力アップやより効率的な業務推進を目的として徐々に導入率が増えているテレワークについて、詳しくお伝えします。
このページでは以下について説明します
- テレワークとは何か
- リモートワーク、在宅勤務との違い
- なぜ今テレワークが注目されているのか
この記事の対象は以下の方々です。
- テレワークとは何か、概要について知りたい方
- テレワーク導入をお考えの経営者の方
- 会社の上層部から「テレワーク導入担当者」に抜擢された人事・総務、ITなどの担当者の方
Contents
テレワークの意味
テレワークとは、時間や場所にとらわれない働き方のことです。
実は、テレワークという言葉が生み出されてから早50年弱。近年、情報通信技術(ICT : Internet Communication Technology)の発展によりインターネットネットを介して地理的に遠くの人と働くことが可能になり、オフィスの外(自宅やカフェ、サテライトオフィスなど)で働いたり、国外の仲間と働いたり、従来の働き方と違う様々な就業形態が可能になりつつあります。
語源
実は、テレワークは和製英語ではありません。テレワーク(telework)という言葉は、1973年、当時南カリフォルニア大学でInterdisciplinary ResearchのDirectorをしていたJack Nillesによって提唱されました。テレワーク(telework)は「ギリシャ語のテレ(tele)=遠く」、と「英語のワーク(work)=働く」を繋げたもので、「遠くにいる人と働く」という意味で使われます。このとき、Nillesは同時にTelecommutingという言葉も使用しています。
リモートワークとの違い
現在「リモートワーク」という言葉も多く使われます。現状、日本において「テレワーク」「リモートワーク」という2つの言葉には意味の違いはほとんどありません。しかし、省庁や自治体ではテレワークという言葉に統一されていたり、IT系企業ではリモートワークという言葉が好まれるなど使われる業界やシーンによって使い分けられているようです。
英語でのニュアンス
英語(特にアメリカ)では、telework、telecommute、remote workは主に次のように使い分けられています。
- Telework:オフィスがメインの働き方
- Remote work:オフィス以外がメインの働き方
- Telecommute:通勤時間がゼロの場合の働き方
テレワークの種類
業務形態による分類:在宅勤務との違い
ここでは、「テレワーク・デイズ」などテレワークに関する政策を主導している総務省によるテレワークの分類についてご紹介します。
総務省では、テレワークをする人の業務形態によって雇用型・自営型の2つに大別しています。このうち雇用型では働く場所によってさらに細かく分類され、家で働く「在宅勤務」、移動中やカフェで働く「モバイルワーク」、サテライトオフィスなどで働く「施設利用型」の3種類があります。
就業場所 | ||
---|---|---|
勤務型 | 在宅勤務 | 自宅 |
モバイルワーク | どこでも(移動中やカフェなど) | |
施設利用型 | サテライトオフィス、シェアオフィス、 テレワークセンター、スポットオフィスなど | |
自営型 (個人事業主) | SOHO | 自宅・オフィス |
内職副業型 | 自宅 |
詳細については、それぞれのページをご覧ください。
テレワークの導入率・導入例
国内テレワーク導入率
総務省は2000年(平成12年)より毎年、「通信利用動向調査」を作成しており、ここでは、インターネットの普及状況や個人・企業のSNS利用状況やクラウドサービスの利用状況など、国内の情報通信にかかわる様々な調査結果が発表されています。この調査で、テレワークという言葉は2006年(平成18年)から登場し、2008年(平成20年)以降は毎年、その普及率が発表されています。
調査が開始されてから約10年、テレワーク普及率はほぼ横ばいとなっています。
国内導入例
一方、政府はテレワークの導入を推進しており、国家公務員に対しても省庁ごとにテレワーク導入者の数値目標を設ける方針です(日経電子版2018年10月22日)。
また、総務省は「テレワーク情報サイト」を開設しており、国内企業のテレワークの導入事例をまとめています。
こちらのサイトは、業種・地域・導入目的・人数・規模など様々なカテゴリから検索をすることができます。2019年4月4日現在、316件の日本全国様々な企業のテレワーク導入の取り組みがまとめられています。
なぜテレワークなのか
企業側へのメリット
生産性の向上
テレワークにより、通勤に伴う精神的ストレスを減らし、ワークライフバランスの向上を図ることで、労働者の生産性向上が期待できます。
非常災害時の対策
インフルエンザなどの感染症の拡大防止や、台風で公共交通機関がストップしてしまう際、テレワークは有効です。災害時における通勤災害(労災の一種)の予防にも効果的です。
コスト削減
オフィスコストの削減、節電、交通費の削減が期待できます。
人材確保
出産育児やパートナーの転勤、介護等による人材の離職を防ぎ、多様な人材を確保することができます。
働き方改革
2018年には働き方改革関連法案が可決されましたが、「多様で柔軟な働き方の実現」においてテレワークは重要な役割を果たします。
国の後押し
現在、国は4省庁(総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省)が中心となってテレワークの推進にあたっています。
2015年からは11月を「テレワーク月間」として様々なイベントが行われています。
2017年からは、7月に4省庁と東京都が中心となって「テレワーク・デイ」(2018年以降はテレワーク・デイズ)が開催されています。
人生100年時代
長寿化により、「人生100年時代」と呼ばれる現代。毎日必死に働いて通勤し、定年を迎えることに対して人々は危機感を持ち始めています。テレワークによって通勤時間を減らすことで、仕事以外のことに使える時間を増やすことができます。また、勤務地にしばられる必要がないことで、副業を行える可能性も高くなります。
テレワーク助成金
テレワークの導入については助成金を利用することができます。国だけでなく、自治体による助成金もありますので、一度調べてから導入を検討しましょう。
テレワークを導入するには
業務の生産性の向上や、社員のQOL(Quality of Life)の向上など、様々な効果が期待できるテレワークですが、いざ社内で導入するとなるとクリアしなければならない様々な課題があります。
シゴトバでは、テレワーク導入担当者向けに、テレワークを導入する際に必要なルールの策定やツールの導入などのポイントをご紹介しています。
まとめ
この記事では、テレワークとは何か、今なぜテレワークが注目されているのか、まとめました。
- テレワーク=ICTを活用した場所にとらわれない働き方
- 国内のテレワーク導入率はここ10年横ばい
- 導入企業に対するメリット