2019年テレワークで働き方改革を促進できる?週休二日制との類似点とは?

2018年は、ニュースやネットメディアなどで「働き方改革」を耳にする機会が多かったですね。この記事では、今年も多くの企業で取り組みが進むであろう、働き方改革におけるテレワークの位置づけと、テレワークの導入が企業にもたらすメリットについてまとめました。

テレワークとは

テレワークとは、時間や場所にとらわれない働き方のことです。

情報通信技術(ICT : Internet Communication Technology)の発展によりインターネットを介して地理的に遠くの人と働くことが可能になり、オフィスの外(自宅やカフェ、サテライトオフィスなど)で働いたり、国外の仲間と働いたり、従来の働き方と違う様々な就業形態が可能になりつつあります。

【総説】テレワークとは?意味や、企業が導入するメリット・導入率のまとめ

働き方改革とは

「労働者が多様な働き方を選択できる社会の実現」をねらいとして、2018年にいわゆる「働き方改革関連法案」(正式名称:働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律)が成立しました。

政府が「働き方改革」を推進していく背景には、少子化・高齢化で深刻な労働者不足は避けられず、労働生産性を向上することによって国全体の生産力、国力の低下を抑制するという思惑があります。

働き方改革についての詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。

働き方改革で何が変わる?労働時間や残業規制、賃金についてわかりやすく解説

働き方改革におけるテレワークの位置づけ

働き方改革関連法案は8つの労働法の改正をするものですが、そこには “労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革を総合的に推進するため、長時間労働の是正、 多様で柔軟な働き方の実現、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保等のための措置を講ずる。” とあります。

この「多様で柔軟な働き方の実現」においてテレワークが重要な役割を担うことになります。

また総務省の情報通信白書によると「働き方改革」には、「労働参加率向上」及び「労働生産性向上」が必要であり、「労働参加率向上」を実現するためのICT利活用の方向性として、「テレワーク」に注目すると記述されています。

そして働き方改革の実現にむけた9つの検討テーマを掲げている「働き方改革実行計画」では、そのテーマのうち[柔軟な働き方がしやすい環境整備]と「女性・若者が活躍しやすい環境整備」がテレワークと関わりが深いと述べられています。

つまりテレワークによりそれぞれのライフスタイルに合わせた働き方の選択ができるようになり、ワークライフバランスを確保して柔軟に、そして育児や介護との両立が可能になることなどが期待されています。

そのため現在「働き方改革」の一環としてテレワークを導入している企業が多数あります。

企業にとってのメリット

企業にとって、テレワーク導入によってもたらされるとされているメリットには以下のようなものがあります。(テレワーク導入のメリット・デメリットについての詳しい情報はこちらの記事を参照

  • 従業員のQOL(:Quality of Life)と生産性の向上
  • 新たな人材の確保
  • 離職抑制・就労継続
  • 企業イメージの向上
  • 非常時の事業継続性(BCP: Business Continuity Plan)の確保

また、少子高齢化による働き手不足の現在、働き盛りの社員が介護や育児によって離職してしまうことは企業にとって大きな打撃です。テレワークを導入することによって柔軟な働き方が可能となり、こうしたやむを得ない離職の抑制に寄与することで「労働参加率の向上」につながります。

「労働生産性の向上」という文脈で考えると、テレワークは従業員のQOLの向上に大きな効果があります。首都圏で働く人々は満員電車で常に疲弊していますが、通勤の必要がなくなることにより、日々のストレスを低減することができます。ストレスが少ない中で働くことによって仕事に対してのモチベーションを上げることができ、それが結果「労働生産性の向上」につながります。

テレワークは週休二日制になれるか

このように、テレワークを導入することが企業にとってメリットがあることは明らかです。

しかしその一方で、求人力や離職率などが結果に数値として現れるには時間がかかったり、BCPの確保もいざ非常時にならなければ効果が発揮されないため、導入に対して二の足を踏む経営者もいることでしょう。

我が国の歴史で、類似したケースが「週休二日制」です。

いまや土・日を休日をすることは当たり前ですが、昭和の終わり頃まで日本では休日は日曜の1日のみというのが一般的でした。

週休二日制を日本で初めて導入したのは松下電器産業(現パナソニック)の創業者、松下幸之助氏です。

単純計算すると、1週あたりの労働日数が6日から5日に減るわけですから、生産性が5/6(83%)になってしまうのでは?と思いますが、いまや週休一日制の企業はほぼありません。

週休二日制は主にキリスト教圏で一般的だった概念ですが、それが日本では一企業によって採用され、そこから徐々に官公庁・一般企業へと広まっていきました。

テレワークに関しても、今はまだ「もの珍しい」「効果がよくわからない」ものであるかもしれませんが、やがてこれが世の中の常識になる日が来るかもしれません。

まとめ

今回は「働き方改革」におけるテレワークの位置づけから、テレワークが「多様で柔軟な働き方の実現」や「労働生産性向上」などと深く関係していることをみてきました。

そしてそれらに関して、テレワークが企業にもたらすメリットについてまとめました。

今後も多くの企業が「働き方改革」を達成するためにテレワークを導入していくことが期待されます。