シゴトバでは、総務省の「テレワーク先駆者百選」に認定された企業の方をゲストにお招きし、オンラインインタビュー形式のイベントを行っています。
今回は、テレワーク先駆者百選選出企業の株式会社メンバーズ顧問の池田 朋弘(いけだ ともひろ)さまをお招きしました。
【池田さまのnote】 https://note.com/popinsight_ikeda
テーマは「テレワークでも新人さんがチームで生き生きできる仕組みを伝授」です。
テレワーク・リモートワークの課題の一つであるコミュニケーションを成功に導く秘訣についておうかがいしています。
Contents
テレワーク先駆者百選とは
「テレワーク先駆者百選」とは、総務省が主催するテレワークの導入・活用を進めている企業・団体を「テレワーク先駆者」として選出し、その中でも十分な実績を持つ企業・団体を「テレワーク先駆者百選」として公表する取組です。
株式会社メンバーズはリモートワークの取組が評価され、総務省テレワーク100選に選出されています。
テレワークでのコミュニケーションが難しくなる状況
テレワークはオフィス勤務よりも確実にコミュニケーションの機会が少なくなります。
オフィス勤務の場合は社員間で自発的にコミュニケーションの機会が生まれますが、テレワークの場合はすべてが画面越しとなるため、コミュニケーションが取りづらい空気が醸成されてしまうからです。
これにより、次のようなコミュニケーションに関する課題が顕在化します。
- お互いを知る機会が少ない
- 雑談する機会が少ない
- 状況共有する機会が少ない
- 相談しづらい
コミュニケーションの機会が減っていけば、仕事のクオリティーが担保されない、アイデアが生まれないといった業務上の課題にまで発展します。
とくに新入社員や組織に新しく配属された人ほど前段の情報がないため、コミュニケーションがとりづらく、チーム内で疎外感や孤独感を生むリスクがあります。
テレワークにおけるコミュニケーションの課題については、どのように対処していけば良いのでしょうか?
テレワークで新人を迎えるポイント
新しい人材を迎えるにあたり、チームのメンバーやマネージャーがやるべきことについて、初日(Day1~)から順を追って解説します。
新しい人材が入ってきた時にやるべきこと(Day1~Day3)
新しい人材が入ってきたDay1~Day3は、以下の方法でコミュニケーションの土台を作ります。
- 自己開示の促進(自己トリセツ、オンライン合宿等)
- 発信/反応の推奨
- オープンコミュニケーションの推奨
コロナ禍以降、新人はチームのメンバーとの人間関係が構築される前からリモートを余儀なくされるケースが少なくありません。
新人を放置しないためにも、まずはチームメンバー同士で自己開示を促進するところから始めます。
また、リモートワークのコミュニケーションはオープンチャンネルで行なうことが肝心です。
DMのようにコミュニケーションがクローズされるほど情報が残らず、検索もできないため業務効率もが悪くなってしまいます。
テレワークはオフィス勤務と違って発信がしづらいため、発信を個々人に任せきりにするのではなく、チームや会社が意図的に発信/反応ができる仕組みづくりをしましょう。
少し落ちついてきた時にやるべきこと(Day3~Day7)
新人がチームに落ちついてきたDay3~Day7では、以下の方法でコミュニケーションの機会を増やします。
- 少人数会話の場の設定(相互1on1など)
- 状況共有の場の設定(自分チャンネル/分報など)
- 相談担当の設定(メンターなど)
前述のとおり、コミュニケーションの機会を増やすには、チームや会社が意図的に仕組みづくりをすることが重要です。
仕組みづくりでは、「下から上へのコミュニケーションのとりやすさ」を意識しましょう。
たとえば、実務の上司と何でも相談できる上司は、あえて分けたほうが下から上へのコミュニケーションの機会が増えます。
コミュニケーションをとる際には、ネット回線のラグや混線を避けるためにも、少人数会話(相互1on1)推奨です。
その後も環境継続のためにやるべきこと(Day7~)
コミュニケーションの機会が増えてきも、一過性で終わってしまっては元も子もありません。
その後もコミュニケーションの土台&機会促進の環境を維持することが大切です。
Day7~は、以下の方法でコミュニケーションの機会の環境継続を図ります。
- コミュニケーション機会の継続・定例化(朝会、相互1on1、メンタリング、テーマ別定例会議など)
- 発信&反応の徹底
- ポジティブ&オープンの維持
- 不満や課題の把握・対応(ギャップアンケートなど)
基本的には、Day7までにやってきたことの取捨選択および継続・定例化です。
ただし、チームの状況や雰囲気を把握していない人が代表者となってコミュニケーション設計をすると、失敗してしまうケースが少なくありません。
チームの中のコミュニケーション設計は、そのチームをよく知るマネージャーが中心となって行いましょう。
まとめ
株式会社メンバーズ顧問の池田 朋弘様をお招きして、テレワークにおける新人社員とのコミュニケーション機会の促進および継続・定例化の方法をおうかがいしました。
テレワークを導入して何も意識しなければ、コミュニケーション機会は自然と減ってしまいます。
さらに、コミュニケーション機会が減ると相談しづらい雰囲気がチームを取り巻き、業務の非効率化や生産性の低下にもにつながります。
この「負のスパイラル」を打開するには、チームのメンバーに自発的なコミュニケーションを期待するのではなく、ある程度の権限を持ったマネージャーのような存在が中心となり、意図的にコミュニケーション促進の仕組みづくりを進めていくことが重要です。
テレワーク導入を検討されている企業の担当者の方、またチームのマネージャーや代表者の立場にいる方は、今回の記事で紹介した具体的な方法を参考に、各チームに合った対策を講じていきましょう。