【クイック解説】在宅勤務とは?導入する企業の目的は?

テレワークとはICT技術を利用した場所にとらわれない働き方のことですが、「在宅勤務」、「モバイルワーク」、「サテライトオフィス勤務」の3つの形態があります。

この記事では在宅勤務について、その種類や企業が導入する目的などについてまとめました。

テレワークとは?

テレワークとは、ICT記述を利用して場所にとらわれずに働くことです。

【クイック解説】在宅勤務とテレワークの違いとは?

在宅勤務とは?

テレワークは働く場所によって以下の3種類に大別されます。在宅勤務勤務は、テレワークの一種です。

雇用形態

さて、在宅勤務には大きく分けて2つのケースが存在します。

1つは、個人事業主として、家で業務委託や請負をするケース。商店や士業などで家が店舗・事業所となっている場合は在宅勤務とは呼びませんが、翻訳やソフトウェア開発などの専門的な業務を委託・請け負って自宅で働いている場合などが考えられます。

もう1つは、企業に雇用されている社員が、週に何日か(場合によっては毎日)家で仕事をするケースです。毎日・社員全員が在宅勤務することを前提に、最初からオフィスを持たない企業もありますが、それはまだまだごくわずか。社員はオフィス内に自席を持ち、週に1~数回家で働くケースが一般的です。

在宅勤務=内職?

内職とは、委託者から物品の製造、加工などを請負って工賃の支払いを受けることです。内職をする人のことを家内労働者と呼びますが、彼らには労働法が適用されず、その代わりに家内労働法が適用されます。在宅勤務というの自宅を拠点として働くことですが、一般的には企業に雇用された従業員が家で働くこと、もしくは業務委託・請負を家で行っているケースを指すことが多く、内職とは区別されます。

企業が導入する目的

自宅=職場としている個人事業主と異なり、在宅勤務を導入している多くの企業はオフィスを所有し(もしくは借り上げ)た状態からスタートし、在宅勤務を導入しています。このような企業にとって、在宅勤務を導入する・するべき目的は何でしょうか。

優秀な人材の確保・企業イメージの向上

在宅勤務を導入することで、子育てや介護など、人生に転機が訪れた社員の離職を防ぐ効果が期待できます。また、プログラマなど、合理性を重んじ集中して仕事をしタイプの人々に在宅勤務は好まれます。慢性的に人材不足・かつ転職文化のあるIT業界においては、優秀なプログラマの確保は企業にとって非常に重要です。

また、在宅勤務制度の導入により、その企業に対して、福利厚生が整っているイメージを作ることができます。これは、業種によってはとても大事なイメージ戦略です。特に食品や教育・福祉などの業種では、企業が「従業員にやさしい」イメージを持つことは非常に重要です。

災害時やパンデミックの際の事業継続性

2011年の東日本大震災の際には、首都圏の公共交通機関がストップしたり、計画停電があったりなど、オフィスに出勤する勤務形態のみの企業では通常業務がストップしてしまうという事態になりました。在宅勤務を技術面・制度面共に整備しておくことは、このような非常事態における事業継続性を高めます。また、ここまで大きな災害でなくとも、毎年訪れる台風や大雪の際には積極的に在宅勤務を勧めることで、通勤災害を防ぐこともできます。

オフィスコスト削減

社員全員が在宅勤務にすればオフィスを借りる必要もない…という極端な話だけではなく、在宅勤務によって確実にオフィスコストを下げることができます。在宅勤務によって、通勤手当や空調・照明・ICT機器のための電気代を削減することが可能です。

総務省 テレワーク(在宅勤務)による電力消費量・コスト削減効果の試算について

業務効率の向上

業務効率の向上を目標にする企業は多いのですが、一般的に人々が在宅勤務に対して持っているイメージとは真逆なのではないでしょうか。家で仕事をすると怠けてしまう、集中できない…そんな風に考える人々も、少なくないはずです。

しかしながら、逆説的ではありますが、「在宅勤務が成功していれば、業務効率は向上している」と考えられます。なぜなら、在宅勤務を成功させるためのあらゆるアプローチは、業務の効率化であり、組織運営の効率化に他ならないからです。

例えば、在宅勤務を成功させるためには、上司による部下の適切な進捗管理と評価が必要です。けれど、待ってください。同じオフィスにいるからといって、あなたの会社では適切な進捗管理と評価が行えていると断言できますか?

他の例として、在宅勤務を成功させるためには、ICTツールを駆使して、離れた場所にいる人間と十分なコミュニケーションをとることが必要です。これは、海外などの遠くに離れた拠点にいる人間とのコミュニケーションと何が違うでしょうか?

このように、在宅勤務を実現させる上でクリアしていくべき事柄ひとつひとつを、まず洗い出していくことが非常に重要です。そして、これらを解決することにより、さらに強いチームを作ったり、業務の効率化を図ることが可能となります。

企業にとってのメリット

在宅勤務導入によって企業が得られるメリットについてはこちらのページで紹介しています。

テレワーク・在宅勤務の導入によるメリット・デメリットとその対策

 

まとめ

この記事では、在宅勤務とは何か、また、企業はなぜ在宅勤務を導入するのか・するべきなのかについてまとめました。

在宅勤務とはまとめ
  • 在宅勤務には、雇用形態による違いがある
  • 企業はさまざまな理由から在宅勤務を導入している
  • 在宅勤務を導入する過程で、強固な組織づくりと業務の効率化を行うことが可能