サテライトオフィス勤務に適した業務とは？

政府によるテレワーク・デイズなどの取り組みもあり、最近ますます認知度が上昇しているテレワーク。オフィスコストを抑えたり、採用力を高めて離職率を低くするなど、様々な効果が期待できます。

現在、日本では在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィス勤務の３つの勤務形態を総称してテレワークと呼んでいますが、それぞれ向いている仕事・向いていない仕事があるため、企業でどの形を採用するのかは慎重に選ぶ必要があります。

この記事では、テレワークの導入を検討されている経営者や導入担当者の方向けに、（特にシェア型の）サテライトオフィス勤務に向いている業務についてまとめました。

サテライトオフィスの種類

サテライトオフィス勤務とは、勤務先以外のオフィススペースでパソコンなどを利用した働き方のことを指します。企業によってその形態は様々ですが、その多くが、一社専用のサテライトオフィス（以下、専用サテライトオフィス）か、複数の企業・個人が利用するシェア型のサテライトオフィス（コワーキングスペースと称されることも）のどちらかに大別されます。

存在目的は異なるものの、働く環境という観点で考えると、専用サテライトオフィスと支社・営業所には大きな違いはないと考えられます。そこで、この記事ではシェア型のサテライトオフィスについて、そこに適した業務・適さない業務について考察しました。

シェア型のサテライトオフィス勤務に適した業務・適さない業務

まずは、シェア型のサテライトオフィスでどのようなことできるのか、また難しいのかについて確認しましょう。

適した業務

考えごと

シェア型のサテライトオフィスの場合、会議室以外のエリアでは会話を禁止にしているところが多いため、比較的静かな環境で考え事をすることができます。オフィス勤務の場合、職場によっては絶えず人の話し声がする環境もありますが、シェア型のサテライトオフィスでは、多くの場合、それよりも静かな環境で働くことができるため、じっくりとした考え事をすることができます。

PCを用いない作業・表現

紙とペンさえあればできるようなことは、サテライトオフィスでも問題なく行うことができます。

PCを用いた作業・表現

これは、サテライトオフィスの環境（机・椅子のスペック、外付けディスプレイ・キーボードが用意されているか）に大きく依存します。サテライトオフィスによっては、人間工学に基づいた良い椅子を売りにしているところもありますが、そうでないところもあります。環境が整っていれば、オフィスにいるのと同程度の作業を行うことも可能ですが、環境が整っていない場合、従業員の健康を損なう要因ともなりかねないので、注意が必要です。

会議

多くのシェア型のサテライトオフィスでは、会議室を利用することが可能です。会議室内では、サテライトオフィス勤務者同士の会議のみならず、ビデオ会話ツールなどを使うことで他の拠点で働く人との会議も行うことができます。一般的に、会議室の利用には事前予約が必要です。

難しいこと

突発的な会議

多くのシェア型のサテライトオフィスでは、会議室の利用には事前予約が必要となるため、突発的な会議には対応しづらいと言えます。また、先に触れましたが、多くのシェア型のサテライトオフィスでは、会議室以外では会話禁止となっているため、デスクで長時間の通話をすることができません。そのため、業務の最中に少し聞きたいことがあった場合などは、いちいちオフィスを出る必要があります。（このときのPCの取り扱いに注意！）

機密性の高い業務

シェア型のサテライトオフィスで機密性の高い業務を避けるべき理由は２つあります。

１つ目はサテライトオフィスのネットワークセキュリティの問題です。シェア型サテライトオフィスでは、ネットワークセキュリティを自社用に設計することができないため、使用する通信環境が自社のセキュリティ水準と比べると低い可能性があります。

２つ目は、物理的なセキュリティの問題です。当たり前ですが、シェア型のサテライトオフィスには社外の人間も勤務しているため、盗難や情報漏洩・スパイに注意する必要があります。以下のような対策をとるべきですが、そもそも機密性の高い業務は避けた方が無難でしょう。

まとめ

この記事では、シェア型のサテライトオフィス勤務に適した業務・適さない業務について考察しました。多くのシェア型のサテライトオフィスがあり、それぞれオフィスの設備が異なるため、一概にどの職種が向いているとは言いづらいですが、サテライトオフィス制度を検討する際に参考にされてはいかがでしょうか。

参考

厚生労働省　テレワーク導入のための労務管理等Ｑ＆Ａ集