【導入担当者向け】テレワーク導入のための教育・研修のポイントまとめ

テレワークに従事する人(テレワーカー)と社内勤務者が、テレワーク導入に関する共通の認識を持っているかどうかは、テレワーク導入・実施の結果に大きく影響します。この記事では、省庁が作成したガイドなどを基に、テレワーク導入を成功に導くための社員への効果的な教育・研修のポイントをまとめました。

テレワークとは

テレワークとは、時間や場所にとらわれない働き方のことです。

情報通信技術(ICT : Internet Communication Technology)の発展によりインターネットを介して地理的に遠くの人と働くことが可能になり、オフィスの外(自宅やカフェ、サテライトオフィスなど)で働いたり、国外の仲間と働いたり、従来の働き方と違う様々な就業形態が可能になりつつあります。

テレワークツールの選定や導入における課題など、テレワーク導入にまつわる様々なTipsについて知りたい方はこちらのページをご覧ください。

テレワーク導入完全ガイド

テレワーク導入のための啓発

テレワーク導入の目的は企業によって違います。また、経営者・テレワーカー・上司・同僚など、立場が変わる事で見解が異ならないように、全体指針として、社内全員で認識を共有しないといけません。

そのためにも、テレワーク導入の目的を経営者が強くメッセージ発信し続け、本気で取り組む姿勢を示し続ける事が重要です。

研修計画

テレワーク導入における研修は、以下にご紹介するように複数のトピックをカバーする必要があります。研修計画には、以下の事項が含まれるように留意します。

  • 研修のねらいと目的
  • 達成目標
  • 研修期間及び研修日程
  • 研修項目およびカリキュラム
  • 研修方法(社内・社外、集合研修、eラーニング、など)
  • 受講管理(理解度の確認のため簡単な試験やフォローアップ)

トピック1.テレワークの目的・必要性の理解

ねらい

経営者・テレワーカー・上司・同僚の全員が共通の認識をもつ。初めて導入する場合、様々な問題がおこる事が想定されますが、問題が起きた場合にテレワーカー・上司・同僚全員が創意工夫して積極的に解決する姿勢をもつ。

やること

なぜ自社がテレワークを実施するのか、その目的は何か、なぜ必要か、を説明する。例えば、あるチームのマネージャーが目的を理解せずに自分の部下へのテレワーク業務を許可しない、といった社内全体の歩調が合わないことを防ぐ。

カリキュラム例

  • テレワーク概要:利点、よくある実施上の問題、成功させる要素
  • 自社の企業戦略上のテレワークの位置づけ:導入目的、必要性、期待する効果、達成目標、期待する新しい企業文化
  • 導入計画:導入時期、部門、規模
  • 導入のながれ:導入決定→導入→導入後の評価→見直しまでの全体像
  • 導入による働き方改革:想定される働き方の変化、テレワーカーの自発的な仕事の進め方の工夫

トピック2.テレワークをする体制についての理解

ねらい

労使で認識に齟齬のないようにする。テレワーカーと上司・同僚がもつ疑問を解消する。

やること

実施のながれと周囲の体制を説明する。社内ルールを共有する。

【導入担当者向け】テレワーク社内ルール作成のポイントまとめ

カリキュラム例

  • 社内規定:テレワーク参加資格、就業規則、実施規定、実施場所の環境基準
  • 手続き:申請手順のフロー、申請書・報告書の様式と記入例
  • 勤怠管理・業務管理:管理プロセス、管理ツールの使用有無
  • 指導や育成の方法、人事評価:テレワーカーの上司および部下をもつテレワーカーを対象にした、部下の業務管理と指導育成、評価
  • 健康支援・安全ヘルプライン:支援内容、問題が起こった時の連絡先、対応時間帯

トピック3.テレワークツールの操作

ねらい

テレワーカー・上司・同僚が円滑に業務を遂行。セキュリティ事故を防止する。

やること

ツールの操作方法の説明、セキュリティポリシーの説明

カリキュラム例

  • システム・ツールの使用・操作方法
  • 情報セキュリティ:セキュリティポリシー、ツール利用上の注意
  • 連絡方法:技術的トラブルが発生した場合の問い合わせ先、対応時間帯

トピック4.チームワーク

過去にテレワークを廃止した企業が、理由の一つとしてあげるほど、チームワークはテレワーク導入成功のカギとなります。様々な業務がチームで行われ、その運営方法はチームによって多種多様です。チームごとに導入についての問題点を発見し、チーム内で解決案を考え検討するプロセスが研修中には必要です。

まとめ

テレワークは手段であり、導入自体が目的ではありません。テレワーク導入のための各種研修を行う際に、「なぜ導入するか」を絶えず確認する事に意味があります。また、テレワーカーが不安に感じることのないよう、社内勤務者が不公平感をもたないよう、テレワークは特別な人のためだけの働き方ではない事も伝えながら教育・研修を行えると良いでしょう。

参考