モバイルワークのセキュリティ対策にセキュアブラウザを活用しよう

テレワークの一つであるモバイルワークはセキュリティーに課題がある働き方です。カフェや公園などで仕事できる点は融通が利き便利ですが、デバイスの紛失や盗難を気にしながら働くのは意外と神経を使うものです。

情報漏えいだけでなく、作業効率ダウンにもつながるため、どうにかしたいと頭を悩ませているモバイルワーク推進担当者もいることでしょう。

そこでおすすめしたいのが、「セキュアブラウザ」。セキュリティー対策に特化したモバイルワーク向けのブラウザです。

営業担当者や納品物を届けに行く社員などが、外出先でタブレットやスマートフォンを安全に活用できるようになります。

今回は、セキュアブラウザの概要と実際の製品を紹介していきます。モバイルワークの導入に携わっているかたはぜひ参考にしてみてください。

 

モバイルワークとは?

モバイルワークとは、テレワークのうちの一つの働き方です。

テレワークとは

テレワークとは、時間や場所にとらわれない働き方のことです。リモートワークという言い方をする企業・団体もあります。

近年、仮想デスクトップをはじめとする情報通信技術(ICT : Internet Communication Technology)の発展によりインターネットを介して地理的に遠くの人と働くことが可能になりました。これにより、オフィスの外(自宅やカフェ、サテライトオフィスなど)で働いたり、国外の仲間と働いたり、従来の働き方と違う様々な就業形態が可能になりつつあります。

モバイルワークとは

モバイルワークとは、テレワークのうち、自宅やサテライトオフィスではなく、カフェや移動中に働く働き方のことです。

モバイルワークとは何か?メリットとデメリットについて

テレワーク・モバイルワークのセキュリティ

テレワークを導入すると社員が社外で働くことになるため、セキュリティが不安視されます。このページでご紹介する「リモートデスクトップ方式」の他にも、テレワークにおけるセキュリティの担保には様々な方法があります。総務省による「テレワークセキュリティガイドライン」が大変参考になりますので、一度ご覧ください。

【クイック解説】テレワークセキュリティガイドラインとは?

セキュアブラウザとは

セキュアブラウザは、不正アクセスや情報漏えいの対策を施したブラウザです。一般のブラウザと異なる点はドキュメントやデータをデバイス上の安全な領域で表示するところ。データは終了時に自動的に消去されます。

また、セキュアブラウザを用いれば社内やクラウドへ安全なアクセスが可能です。したがって、BYOD (Bring Your Own Device)も含めたセキュリティー対策にも有効となります。社員に個人が保有するデバイスを有効活用させれば、会社の経費を削減できます。

しかも、一般のブラウザと同じ機能を備えているため、使い勝手に困りません。ただし、モバイルデバイスの情報漏えいを防ぐために制限される操作もあるので注意が必要です。

また、リモートデスクトップ方式のセキュアブラウザもあります。会社のPC画面を直接スマートフォンやタブレットに転送できます。安全性が備わっているだけでなく、外出先で普段と全く同じ環境で仕事ができるところも、モバイルワーカーにとってストレスフリーです。

セキュアブラウザがモバイルワークに適している理由

ここでは、セキュアブラウザがモバイルワークでどのように役立つのか紹介していきます。

デバイスの盗難や紛失に対処できる

モバイルワーク中にデバイスの盗難や紛失が起きると、顧客や会社に費用面だけでなく多大な迷惑が掛かります。営業管理システムに不正アクセスされ、取引や顧客データを閲覧されるなどの事例です。常に情報がリセットされるセキュアブラウザを利用すれば、盗難や紛失を防ぐことはできませんが、肝心の情報漏えいを防げます。また、デバイスのユーザー認証できる機能も備えているため、盗んだデバイスで会社システムにアクセスして不正を働くことも防止できます。

外部脅威と内部脅威を防げる

モバイルワークは管理者のもとから離れることで脅威が生じます。それに対し、セキュアブラウザのアクセスログ管理機能が役立ちます。だれが、どの端末から、どのwebサイトにアクセスしたかがわかります。モバイルワークの際、不要なサイトを閲覧してウィルスにかかってしまう社員もいるかもしれません。この機能で管理者が目を光らせることにより、そのような外部脅威を未然に防げます。また、社員が機密情報を利用していないかを監視することもでき、内部脅威への対策となります。モバイルワークにおける外と内にある脅威を、セキュアブラウザがあっさりと解決してくれるのです。

セキュアブラウザの具体的なおすすめ製品

セキュアブラウザを導入する上でおすすめしたい製品を特長と料金について紹介していきます。

CACHATTO/e-Janネットワークス(株)

https://www.cachatto.jp/

閲覧機能、MDM(モバイル端末管理)機能、認証機能がバランスよく整っているのが特徴的。モバイルワークの情報漏えいリスクを極小化してくれるセキュアブラウザです。

・コピー&ペーストや端末内へのファイル保存禁止などの情報制御機能あり。印刷やスクリーンショットまで制限できます。

・セキュアブラウザ起動時しか使えないクリップボードとメモ帳を搭載。セキュアブラウザ内でのみ切り取り、コピー、貼り付けが可能。アプリを終了すると削除されます。

・ios端末やPC向けにマルチタブ機能、android端末向けにマルチウィンドウ機能を搭載。複数ページを並列管理できます。

・画面ロック時間や自動ログアウト時間の設定可能。テレワークで利用するモバイル端末の管理に役立つ機能です。

<料金>

※詳しい金額は見積もりが必要

Soliton Secure Browser/(株)ソリトンシステムズ

https://www.soliton.co.jp/products/category/product/mobile-security/ssbssg/

Office365、G Suite、Boxなどのクラウドだけでなくファイルサーバーやメールサーバーなどを含む社内システムへのアクセスも安全に管理。高度なセキュリティーと快適なブラウジング機能でモバイルワークを支援します。

・社内システムやクラウドを利用する際は、ブラウザの先にある専用のゲートウェイでユーザーとデバイスを識別。

・webサイトへのアクセス情報も閲覧可能。モバイルワーカーによる安全性の低いサイトへのアクセスを発見できます。

・会社共通のブックマークを設定できます。また、キーボードショートカットを用いた操作も可能。普段のブラウザと同様の操作感です。

・PDFやDocuWorksに対応した再現性の高いビューワーを搭載。パスワード付きファイルにも対応しています。

<料金>

ユーザー1人あたり:月額300円~

100ユーザーモデル:100万円~

HDE Secure Browser/(株)HENNGE

https://www.hennge.com/jp/service/browser/

office365、G Suiteなどのクラウドに対応したブラウザアプリ。HDE Secure Browserがインストールされているデバイスのみ、クラウドへのアクセスを許可する仕組みです。

・アプリポリシーグループで端末にインストールされたブラウザの制限項目を設定します。適応させたいデバイスをこのグループに登録させることで制限をかけます。

・ユーザー名やパスワードの保存などを制限できます。クリップボードの自動消去設定にも対応可能。

・ダウンロードの禁止にともない、メールの添付ファイルも閲覧できなくなります。具体的にはエクセルやワードなどのファイルです。

<料金>

※詳しい金額は見積もりが必要

Magic Connect NTTテクノクロス(株)

https://www.magicconnect.net/

オフィスのデスクトップ画面を手元端末に呼び出して操作できるサービス。マジックコネクトサーバがオフィスPCと手元端末の間を暗号化通信路で直結します。

・USBを挿すだけでオフィスPCと接続できます。スマートデバイスはUSB不用でアプリから連携できます。

・セットアップはオフィスPCにソフトをインストールするだけ。ファイアウォールなどの環境を変更しなくても導入可能です。

・デバイス紛失したらビューアの接続を禁止することで対応できます。モバイルワークのリスク回避に適した機能です。

・接続可能なIPアドレスを設定することで第三者の不正な接続を阻止できます。モバイルワーカーの不適切なデバイスによるアクセスも防止できます。

<料金>

1対1接続モデル:33,000円(初期費用15,000円+年間使用料18,000円)※ユーザー1人

多対多接続モデル:83,000円(初期費用35,000円+年間使用料48,000円)※ユーザー2人

まとめ

セキュアブラウザでモバイルワークを安全に行えるようになります。ただし、導入の際はシステム構築の方法によって料金が変わってきます。不要な出費を減らすためにも、モバイルワークにおけるデバイスとユーザーの数に適した導入を検討してみてください。