テレワークにおける勤怠管理ツール選びのポイントとオススメツール6選

働き方改革関連法案が可決されてから、今まで日本で常識とされてきた仕事のあり方が見直され、社会は変革をとげ始めています。

様々な変化の中で「仕事をする=会社に行く」という考え方も変わりつつあり、「テレワーク」「リモートワーク」を採用する企業も増えてきました。

採用力強化や業務効率改善の手段として注目されるテレワークですが、一方で従来の組織管理方法では対応しづらい点もあります。

中でも、社員ひとりひとりの労働状況を管理する「勤怠管理」は、オフィス勤務のみの場合と比べて注意しなければならないポイントがあります。

この記事では、テレワーカー(テレワークしている人)の勤怠管理をする際のポイントと、ツールの選び方・オススメの勤怠管理ツールについてご紹介します。

テレワークとは

テレワークとは、時間や場所にとらわれない働き方のことです。

本記事で紹介する勤怠管理ツールやweb会議システムなど、情報通信技術(ICT : Internet Communication Technology)の発展によりインターネットを介して様々な情報のやりとりが可能となりました。結果、地理的に遠くの人と働くことが可能になり、オフィスの外(自宅やカフェ、サテライトオフィスなど)で働いたり、国外の仲間と働いたり、従来の働き方と違う様々な就業形態が可能になりつつあります。

働き方改革、勤怠管理への変更点は?

2019年4月に施行された働き方改革において、労働時間法制が大きく見直されました。

勤務間インターバル制度や、フレックスタイム制の拡充など様々な変更がありましたが、中でも残業時間の規制については今まで行政指導のみに留められていたものが罰則つきの法律となりました。(残業時間の上限規制については、中小企業は2020年4月以降から適用)

また、これと同時に今回の働き方改革では、労働安全改正法が改正され、出勤簿に加えて「労働時間の客観的な把握」が企業に義務付けられることとなりました。これについては、3つのポイントをおさえておきましょう。

  1. 使用者(または労働時間管理を行う人)が、直接始業時刻・就業時刻を認する
  2. タイムカードによる記録やPCなどの使用時間の記録など、客観的な記録とする
  3. 労働時間の記録は3年間保存する

 

テレワークの勤怠管理にはツールを導入しよう

従業員がテレワークをしている場合も、この労働時間の記録は必要となります。

しかし、オフィスと異なる場所で働くテレワークでは、従業員の労働状況を直接目で見て把握できません。そのため、始業時刻・就業時刻の確認や在席・離席の確認ができるツールを導入すると便利です。

また、テレワークで働いている場合、従業員が仕事が終わらず深夜・休日まで働いていても、上司や周囲の人間が気づきづらいという点があります。

従業員の長時間労働を避けるためには、労働時間の把握を正確に行う必要があります。

※裁量労働制であっても、深夜残業(22時から翌日の5時まで)や振替休日をとらない休日出勤には、労働者に割増賃金を支払う必要があるため、正確な記録が必要です。

勤怠管理ツールにおいて抑えておきたいポイントとは

テレワークに対応した勤怠管理ツールを導入する上で抑えておくべきポイントをご紹介します。

【マスト】労働時間の記録

最低限、必要な機能は労働時間(始業時刻・就業時刻・休憩時間)の記録です。

また、出退勤の打刻と合わせ、以下のポイントについても考慮する必要があります。

  • フレックス勤務への対応(コアタイムのあり・なし)
  • 業務の中断・中抜けへの対応

これらは、テレワークの運用ルールによりますので、企業ごとに合う機能を選ぶ必要があります。

また、出退勤・打刻の登録方法はツールによって異なりますが、使いやすさや予算で選ぶことになります。

例えば、手動で打刻をする方法やパソコンを起動・シャットダウンした時間を自動で記録する方法などがあります。

【オプション】給与計算・人事管理ソフトとの連携

労働時間の記録に加え、給与計算や有給の残日数の計算など、他の人事管理ツールとの連携ができるツールもあります。

また、企業が保管・記録する必要のある法廷3帳簿と呼ばれる労働者名簿、賃金台帳、出勤簿を自動でアップデート・記録できるツールもあります。

【オプション】作業状況(離席・在席)の確認

実際に従業員が作業しているのかどうか知りたい場合、従業員側のPCのスクリーンショット記録できるツールもあります。

他に、営業職などの外勤の社員について、いつどこに立ち寄ったか位置情報をGPSによって記録するツールもあります。

また、離席・在席の確認だけでしたら、チャットツールなどについている「プレゼンス機能」もおすすめです。こちらの記事をご覧ください。

テレワークにおけるコミュニケーション課題解決には「プレゼンス機能」が有効。ツール7選

テレワークの勤怠管理ツールにおすすめ管理ソフト5選!

そこで、テレワークにおすすめの勤怠管理ツールを5つご紹介しておきましょう。

ジョブカン

https://jobcan.ne.jp/

ジョブカンでは、勤怠管理に合わせて社会保険や雇用保険の書類を自動化できるなど、様々な労務管理に対応することが可能です。テレワーク導入による各書類の手続きや管理業務の負担を減らすことができます。

打刻方法:ICカード、モバイルGPS、PC/タブレット打刻など様々なケースに対応。指静脈による打刻も近日対応されるようです。出勤管理だけの利用であれば、1名月額200円から利用可能です。

人事労務 freee

https://www.freee.co.jp/hr/

人事労務freeeは、勤怠管理に合わせて給与計算やマイナンバーの管理、年末調整などの人事・労務管理を合わせて使うことのできるサービスです。勤怠管理については従業員による手動入力となります。

3名まで利用であれば、基本料金は月額2060円から利用可能です。

jinjer勤怠 ジンジャー

https://hcm-jinjer.com/

jinjer勤怠はPC、スマホ、タブレット、チャットツール、Apple watch、Google homeからの打刻が可能な勤怠管理システムです。jinjerは勤怠管理以外にも、jinjer人事、jinjer労務、jinjerワーク・バイタル、jinjer経費、jinjerマイナンバー、jinjer採用などの様々なサービスがあり、それぞれとデータを共有することができます。

初期費用100,000円、1月300円/人から利用することができます。

 

テレワークウォッチ

https://www.nesic.co.jp/solution/eo/tww.html

Microsoft社のSkypeforBusiness (Lync2015)のプレゼンス情報を取得し、勤務時間をカウント・記録するWindowsアプリケーションです。(料金は公開されていません。NECネッツアイにお問い合わせください。)

F-Chair+ エフチェアプラス

https://fchair-plus.jp/

従業員側のPCのスクリーンショットが不定期に記録され、管理者に提供されます。

従業員のタスクごとの生産性を計測や隠れ勤務防止機能、細切れの業務時間も集計することが可能です。オフィスワークの時間管理をするのにも役立ちます。1~10名まで、月額1万円から利用可能です。

cyzen サイゼン

https://www.cyzen.cloud/

モバイルワーカー向けの勤怠管理ツールです。スマートフォンを利用して、外勤をする従業員が出勤してから退勤するまでの行動をGPS情報とともに記録することができます。(現在料金は公開されていません。個別にお問い合わせください。)

 

まとめ

今回の記事では、テレワークで使える勤怠管理ツールについて、その選び方のポイントとオススメのツールを5種類ご紹介しました。

管理者から部下の状況が見えづらいテレワークでは、企業や状況によっては従業員の作業状況が気になりますね。料金や必要に応じて、適切な勤怠管理ツールを導入するようにしましょう。

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