総務省によって行われている「テレワークマネージャー派遣事業」。現在、令和元年度の申し込み受付が2020年2月28日行われていますが、過去の結果・実績はどのようなものだったのでしょうか。総務省が公開しているレポートから、現在、企業がテレワークに対して期待していることについて探ってみました。
テレワークマネージャー派遣事業とは
テレワークマネージャー派遣事業は、総務省が認定した専門家（テレワークマネージャー）を企業に対して派遣し、テレワークの導入を補助することにより全国の企業が働き方改革を進めるためのサポートをするものです。働き方改革の効果の説明や、働き方改革を促進するツールの説明など基礎知識に加え、トライアル・正式導入の実践部分のサポートまで幅広く対応してくれる事業となります。現在、総務省はNTTデータ経営研究所に専門家の派遣業務を委託をしています。
令和元年度申し込み概要
平成３０年度のテレワークマネージャー派遣事業の申し込みは2019年7月18日〜2020年2月28日まで。企業規模に関わらず全国の企業・地方公共団体へ無料で専門家（テレワークマネージャー）を派遣してくれます。
テレワークについてほとんど知識がないという方も、大体把握しているけれど導入について不安があるという方も、是非一度相談して見てはいかがでしょうか。「テレワーク導入について、上層部への説明をどのようにすればよいか」といったテレワーク導入プロジェクトを進める上でのアドバイスもしていただけるようです。
令和元年度テレワークマネージャー派遣事業HP
https://www.nttdata-strategy.com/r01telework/
過去の事例に見るテレワークに対する企業の期待
過去の、テレワークマネージャー派遣事業の報告（事例集）をみてみると、企業がテレワークに対してどういうことに期待しているのかがわかります。
総務省 平成２８年度テレワークマネージャー派遣事業事例集 http://www.soumu.go.jp/main_content/000542133.pdf
総務省 平成２９年度テレワークマネージャー派遣事業事例集 http://www.soumu.go.jp/main_content/000563525.pdf
テレワークの導入で期待している効果
テレワークマネージャー派遣事業では、期待される効果を平成２８年度と２９年度にそれぞれ以下のように定義しています。
また、合計１１６社からの回答をみると、テレワークを導入するための動機として強かったのは、働き方改革、業務効率、人材確保そしてWLB（ワーク・ライフ・バランス）の向上となっています。平成２８年・２９年共に大きな傾向の差は見られず、社員に対する福利厚生や業務効率の改善に期待が高いようです。
これらの他に、女性活躍推進、遠隔地採用、業務確信、通勤困難といったところに期待を寄せている会社もありましたが、それぞれ数パーセントの会社しか期待する効果としてあげませんでした。
最も期待される効果である「働き方改革」とは
働き方改革を２０％の企業が期待する効果としてあげています。テレワークを導入することによって、働き方改革に対してどのような効果があると期待されているのでしょうか？
最も多いのは、育児・介護が必要な世代に対する新しい働き方のためにテレワークを導入するというものです。人生のフェーズとして多くの人が経験する事柄ですが、企業にとっては優秀な人材を失ったり、事業に支障が出たりという事態が発生しかねません。これを解決する方法のひとつとして、テレワークに期待されているようです。
他には、多拠点間の働き方としてのテレワークの可能性、農業従事者に対するダブルワークの可能性、24時間の事業体制構築に対する可能性など、様々な形における可能性を実現するツールとしてテレワークが期待されているようです。
まとめ
総務省テレワークマネージャー派遣事業のレポートから、企業がテレワークにたいして期待することについて探ってみました。各企業、テレワークテレワーク導入に対して企業文化との相性、評価制度や業務管理方法の変更など懸念や不安が多岐にわたる中で、テレワークマネージャー派遣事業のサポートを受け、自社に最適な形を模索していることがわかります。あなたの会社と似た目的・似た課題を持ってテレワークに取り組んでいる企業が、見つかるかもしれません。是非、詳細をレポートで確認してみてください。
総務省 平成２８年度テレワークマネージャー派遣事業事例集 http://www.soumu.go.jp/main_content/000542133.pdf
総務省 平成２９年度テレワークマネージャー派遣事業事例集 http://www.soumu.go.jp/main_content/000563525.pdf
