旅先で仕事をする「ワーケーション」とは?JTBとスノーピークの事例

「ワーケーション」と呼ばれる労働形態をご存知でしょうか?

2019年4月に施行された働き方改革関連法を受けて、在宅勤務やサテライトオフィスなどのテレワークの導入を検討している企業も多いのではないでしょうか。

この記事でご紹介するワーケーションもテレワークのひとつといえますが、「仕事と休暇の両方を充実させる働き方」という特徴があります。

今回はワーケーションについて、JTBとスノーピークが提供する解説していきます。

ワーケーションとは

ワーケーションとは、ワーク(work)とバケーション(vacation)を組み合わせた造語で、企業が社員に対して休暇中でもテレワークの仕事を勤務時間と認めること、あるいは旅行を楽しみながら仕事をするワークスタイルのことです。

日常と異なる環境で仕事をすることで、新鮮なアイデアが浮かんだり、モチベーションを維持しながら仕事ができたりといったメリットがあります。ワーケーションを活用することで、生産性の向上や有給休暇の取得促進、ワーク・ライフ・バランスなどの効果に期待が寄せられています。

【クイック解説】旅先で仕事?ワーケーションとは?

JTB × スノーピークによる法人向けワーケーション

国内最大の旅行会社である株式会社JTBは、2018年4月にグループを再編成。現在、全社で在宅勤務やモバイルワークなどのテレワーク制度を導入しています。

2019年4月から、アウトドアブランドで知られる株式会社スノーピークビジネスソリューションズと共同開発した、法人向け「CAMPING OFFICE HAWAII」のサービスが開始されました。

この記事では、旅行会社ならではのテレワーク制度としてJTB社内向け制度の「ワーケーション・ハワイ」と合わせてそれぞれどのような制度、サービスなのか、詳しく解説していきます。

法人向け「CAMPING OFFICE HAWAII」

https://www.snowpeak-bs.co.jp/campingoffice

「CAMPING OFFICE HAWAII(キャンピング・オフィス・ハワイ)」とは、JTBとスノーピークが共同開発した、2019年4月より始まる働き方改革関連法に対応する法人向けサービスです。

JTBが提携するハワイのホテルやレストラン、レジャー施設、邸宅や遊休スペースというハード、スノーピークのフィールドギアや研修プログラムというソフトを活用し、ハワイの雄大で開放的な空間でのワーク・ライフ・バランスを目指します。

「CAMPING OFFICE HAWAII」の主なサービス内容は次のとおりです。

  • キャンピングオフィス(屋内)

ワイキキにあるJTBハワイオフィス内のキャンピングオフィスが利用できるサービスです。

  • キャンピングオフィス(屋外)

クアロア牧場やアイナハイナの邸宅などで、チームビルディングやアイデア会議が可能です。

たとえば一般的なオフィスでのミーティングも、「CAMPING OFFICE HAWAII」であれば参加者全員でテント設営をして連帯感を醸成、より活発な意見交換や新しいアイデアの創出に期待できます。

さらに、参加者全員でバーベキューやキャンプファイヤーなどをして交流を深めるなど、通常のオフィスでは得られないワーケーション・ハワイならではの成果をもたらします。

公式サイトでは、会場候補の写真を閲覧することができ、問い合わせも可能です。

JTB社内制度「ワーケーション・ハワイ」制度

また、JTBでは、JTB社員が休日や休暇を利用して訪れたハワイでテレワークを行う「ワーケーション・ハワイ」が2019年4月1日より導入されました。

「ワーケーション・ハワイ」は開放的なハワイのテレワークスペースで仕事をすることで、新たなアイデアやイノベーションの創出、生産性と働きがいの向上を目指す制度です。

さらに、ハワイでの勤務を推奨することで、社員の年次有給休暇の取得を促進したり、働き方関連法案へ対応したりする効果にも期待されています。

勤務時間以外は近隣のリフレッシュポイントを利用し、家族や友人と海で泳いだりドライブにでかけたりしてライフ・ワーク・バランスも確保できるようになっています。

まさに、ハワイの雄大な自然と開放的な空間で、夢のような働き方が実現できるのでは…という大変羨ましい制度ですね。

ワーケーションが企業と従業員にもたらすメリット

ワーケーションが企業と従業員にもたらすメリットをまとめてみました。

  • 1、クリエイティブアイデア

非日常的な空間で仕事をすることで、オフィスの会議室では出てこないようなクリエイティブなアイデア、イノベーションの創出に期待できます。

  • 2、チームビルディング

テントの設営、バーベキュー、準備・片付けなど、仕事とは一味違ったチームワークを要する作業を行うことで、社員同士の絆が深まります。

  • 3、ビジョンシェアリング

開放的な空間で肩書や立場を越え、本音のミーティングや語らいを行うことで連帯感を醸成、より強固なチームワークを築き上げます。

  • 4、クラウドリテラシー

テレワークに必須のICTツールやクラウドシステムを使いこなすことで、ITの理解を深め、テクノロジーの進化に対応できる人材を育成します。

  • 5、モラルエデュケーション

次の利用者のために何をすべきか考える機会が増えるので、思いやりや気遣いが育まれ、引いては仕事のクオリティーアップの相乗効果に期待できます。

  • 6、コストダウン

法人向け「CAMPING OFFICE HAWAII」なら、研修旅行でホテルや研修施設を利用するよりも大幅なコストダウンが可能です。ワークプレイスと地続きでリフレッシュポイントがあるので、勤務時間外の過ごし方がより充実します。

  • 7、クライシスマネジメント

危機的状況に直面したときに、組織がリスクを最小限に抑える備えができます。

まとめ

JTBおよびスノーピークが取り組む「働き方改革」の一環である「ワーケーション・ハワイ」と「CAMPING OFFICE HAWAII」を紹介しました。

ワーケーションを始めとして、働き方の多様性に柔軟に対応している企業の活動は、これから働き方関連法案に対応していかなければならない企業にとって大いに参考となるでしょう。