時間外労働の削減やワークライフバランスの改善を推進したいなら、テレワークの導入が効果的です。
しかし、セキュアにテレワークを実施するためには各種ICTツールの利用が欠かせません。
今回の記事では、ICTツールの導入費用などを補助してもらえる厚労省の「時間外労働等改善助成金(テレワークコース)」についてご紹介します。
Contents
時間外労働等改善助成金の概要
概要
時間外労働等改善助成金(テレワークコース)は、厚生労働省が実施する助成金事業です。
働き方改革に伴う時間外労働や労働時間等の改善、ワークライフバランス改善の推進のため、在宅またはサテライトオフィスで仕事をするテレワークに取り組む中小企業事業主に対して、その実施に要した費用の一部を助成する事業となっています。
支給対象となる事業主
時間外労働等改善助成金(テレワークコース)の支給対象となる事業主は、以下の4つの条件を満たしている必要があります。
(1)労働者災害補償保険の適用事業主であること
(2)資本金と従業員数が下記条件を満たすこと
時間外労働等改善助成金(テレワークコース)は中小企業が対象となっており、業種別にAまたはBの条件を満たしている必要があります。
業種 | A.資本又は出資額 | B.常時雇用する労働者 |
小売業(飲食店含む) | 5,000万円以下 | 50人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
(3)下記のいずれかの事業主
a.テレワークを新規で実施する事業主
(テレワークを試験的に導入している事業主も可)
c.テレワークを継続して活用する事業主
(過去にこの助成金を受給している事業主は、対象労働者を2倍に増加してテレワークに取り組む場合に、2回まで受給が可能)
(4)時間外労働の制限その他の労働時間等の設定の改善を目的として、在宅又はサテライトオフィスにおいて、就業するテレワークの実施に積極的に取り組む意欲があり、かつ成果が期待できる事業主であること
支給対象となる取り組み
時間外労働等改善助成金(テレワークコース)では、下記のいずれか1つ以上を実施する必要があります。
- テレワーク用通信機器の導入・運用(パソコン・スマホ・タブレットは支給対象外)
- 保守サポートの導入
- クラウドサービスの導入
- 就業規則・労使協定等の作成・変更
- 労務管理担当者や労働者に対する研修、周知・啓発
- 外部専門家(社会保険労務士など)によるコンサルティング
成果目標
時間外労働等改善助成金(テレワークコース)の支給対象となる取り組みは、以下の3つの「成果目標」を達成することを目指して実施します。
1.評価期間に1回以上、対象労働者全員に、在宅又はサテライトオフィスにおいて就業するテレワークを実施させる。
2.評価期間において、対象労働者が在宅又はサテライトオフィスにおいてテレワークを実施した日数の週間平均を、1日以上とする。
3.年次有給休暇の取得促進について、労働者の年次有給休暇の年間平均取得日数を前年と比較して4日以上増加させる。又は所定外労働の削減について、労働者の月間平均所定外労働時間数を前年と比較して5時間以上削減させる。
評価期間
成果目標の達成の有無は、事業実施期間(交付決定の日から令和2年2月15日まで)の中で、1か月から6か月の間で設定する「評価期間」で判断します。
評価期間は、申請者が事業実施計画を作成する際に自ら設定します。
支給額
時間外労働等改善助成金(テレワークコース)の支給額は、事業主が成果目標を達成できたか否かで変わります。
対象経費
謝金、旅費、借損料、会議費、雑役務費、印刷製本費、 備品費、機械装置等購入費、 委託費
契約形態が、リース契約、ライセンス契約、サービス利用契約等 で「評価期間」を超える契約の場合は、「評価期間」 に係る経費のみが対象となります。
助成額
対象経費の合計額 × 補助率
上限額
「1人当たりの上限額」 × 対象労働者数又は「1企業当たりの上限額」のいずれか低い方の額
補助率と上限額
成果目標の達成状況 | 達成 | 未達成 |
補助率 | 3 /4 | 1 / 2 |
1人当たりの上限額 | 20万円 | 10万円 |
1企業当たりの上限額 | 150万円 | 100万円 |
時間外労働等改善助成金の申請方法
時間外労働等改善助成金(テレワークコース)の交付申請から受給までの流れは下記の通りです。
交付申請受付期間
平成31年度(令和元年度)の交付申請の受付は、令和元年12月2日(月)までとなっています。
国の事業なので予算枠が決まっています。予算額上限に達すると受付期限前でも締め切られてしまうので、早めの申請をおすすめします。
申請窓口
時間外労働等改善助成金(テレワークコース)の相談や申請の窓口は、一般社団法人日本テレワーク協会が厚労省より受託しています。
テレワーク相談センター(電話:0120-91-6479,URL: http://www.tw-sodan.jp/)
テレワーク実施
交付決定したら、提出した計画に基づいてテレワークを実施します。
支給申請
事業実施期間が終了後、テレワーク相談センターに支給申請を行います。支給申請期限は令和2年2月末日です。
支給決定後、厚労省より助成金が支給されます。
その他の助成金・補助金情報
シゴトバ では、テレワーク 導入に関する助成金や補助金の情報をこちらにまとめています。ぜひ参考にしてください。
まとめ
時間外労働等改善助成金(テレワークコース)は、テレワークを導入して働き方改革を推進したいと考えている中小企業を後押ししてくれる制度です。
セキュアにテレワークを運用するためには、リモートデスクトップや仮想デスクトップなどICTツールの導入が欠かせません。それらの経費を助成金で賄えれば、スムーズにテレワークがスタートできます。
助成金の受給を検討するのなら、まずはテレワーク相談センターに問い合わせてみてください。