テレワークに興味がある、導入してみたいという経営者の方、また、導入担当者の方。現在、国だけでなく様々な地方自治体(都道府県や市町村など)が、テレワークの推進に向けて助成金や、サテライトオフィスの整備をすすめています。
シゴトバ では、「地方自治体テレワーク事情」と題して様々な地域・自治体のテレワークに関する情報をお届けしています。
この記事では、北海道におけるテレワーク事情についてまとめました。北海道には179の市町村がありますが、今回は「た」~「ら」行の自治体についてまとめています。
「あ」~「さ」行の自治体についてはこちら。
テレワークとは
テレワークとは、ICT技術を利用して場所にとらわれずに働くことです。テレワークのメリットやデメリット、テレワークを導入するためのヒントなどはこちらのページをご覧ください。
ふるさとテレワーク
「ふるさとテレワーク」とは、地方のサテライトオフィス等においてテレワークにより都市部の仕事を行う働き方のことです。北海道の取り組みのみならず、「ふるさとテレワークとは何か」について知りたい方は、こちらをご覧ください。
サテライトオフィスとは
サテライトオフィス勤務とは、テレワークの一種です。近年、東京などの都市圏に本社を持つ企業が、北海道をはじめとする地方にサテライトオフィスを設置する動きがあります。
北海道テレワーク事情
ふるさとテレワーク
北海道におけるテレワークに対する取り組みの多くが、ふるさとテレワークです。ふるさとテレワークとは、地方のサテライトオフィスや社員の自宅においてテレワークにより都市部の仕事を行う働き方のことです。就労人口の流出に危機感を持っている自治体が、テレワークをしたい個人・企業に対して補助(お試しテレワークをさせてくれる等)を行うことで移住者・長期滞在者を集めようとしています。
ワーケーション
ワーケーション(workationまたはworcation)とは、ワーク(仕事、work)とバケーション(休暇、vacation)を組み合わせた造語です。旅先やリゾート地などで就業時間中は仕事を行い、勤務終了後や休日は旅行を楽しむことを指します。2017年にJALで導入されたことでも知られます。特に夏の北海道は本州と比べて過ごしやすい気候のため、いくつかの自治体ではワーケーションを行う個人・企業を集めようとしています。
北海道におけるテレワーク(後半)
室蘭市
室蘭市 自治体でのテレワーク試行2018
室蘭市では2018年6月~11月にテレワークの試行を行っています。室蘭市職員は週2日、最大月10日テレワークをすることが可能で、仕事場所は職員自宅に限定した在宅勤務型です。今後正式導入されるかは未定とのことです。
大樹町
大樹町ワークステイ
北海道大樹町にはテレワークをしながら1か月35,000円で空き家を借りて滞在することのできるワークステイ事業を行っています。滞在中にまちの情報発信をすることがルールとなっています。
宇宙関連企業のテレワーク誘致
大樹町はその広大な土地を生かし、企業や大学が実験できる施設を持つなど30年以上前から航空宇宙関連への取り組みを行っています。2017年には、宇宙関連のテレワーク導入企業の誘致を行うモニターツアーを開催しています。
長沼町
ミサワ総研によるテレワークの試行
2018年テレワーク・デイズへの取り組みとして、長沼町と「まちづくり包括連携協定」を締結しているミサワホームグループのミサワ総研が、町民会館をサテライトオフィスとして借りてテレワークの試行をしました。
ニセコ町
ニセコ町ふるさとテレワーク
ニセコ中央倉庫群
冬には上質な雪を求めて国内外から観光客が訪れるニセコ町ですが、ここには長期滞在したい国内外のテレワーカーが利用することのできる施設があります。改修されたニセコ駅前にある「ニセコ中央倉庫群」の倉庫は地域のコミュニティ施設ですが、こちらの屋内交流空間(1人から利用可能)、もしくは作業室・テレワークサテライトオフィスを利用することができます。
森町
森町 自治体でのテレワーク
森町は渡島半島(北海道の南西の大きな半島)中部に位置する「いかめし」で有名な町です。森町は地方自治体としては早期にOffice 365の採用を行ったことでテレワークを行う環境を構築することができました。森町には活火山である駒ケ岳が存在して噴火の恐れがあることから、東日本大震災以降、BCP(Business Continuity Plan)対策に力を入れることにしたようです。
紋別市
紋別市企業立地ガイド
紋別市は、オホーツク海に面した漁業の町です。紋別市では、星槎道都大学 旧紋別キャンパスの利活用として企業誘致を目指していますが、こちらをサテライトオフィスとして利用することも可能だそうです。2019年9月からは、株式会社ポップインサイト(本社:神奈川県横浜市)がサテライトオフィスとしての利用を始めています(参考:サテライトオフィス、紋別市にお試しオープン中!)。また、同社では現在、地域との交流を目的として市内にある芸術館のフリースペースをコワーキングスペースとして利用しています(参考:紋別市の穴場的コワーキングスペース?!)。
漁業の町・紋別市はほたてやカニなどの海産物を楽しめるなどワーケーション先としての魅力もあります。興味のある方は、紋別市企業誘致担当までお問い合わせください。
まとめ
今回は、2回にわたって北海道におけるテレワーク事情についてご紹介しました。北海道は移住したい県ランキング上位に常にランクインする人気の土地ですが、自治体側も住民の高齢化や就労人口の流出を危惧しており、様々な場所で移住を狙ったお試しテレワーク事業をおこなっているようです。
国(省庁)がどのような活動を行っているかについては、こちらの記事をご覧ください。
また、日本テレワーク協会など、国・自治体以外の団体の活動についてはこちらの記事をご覧ください。